ソメイヨシノが咲きました
4月に入ってからも肌寒い日が続いていましたが、今日はポカポカの春らしい陽気。校庭の桜も満開を迎えました。
日本に植えられている桜の樹のほとんどは、ソメイヨシノという品種です。
桜の樹にも色々な品種があるのですが、一斉に咲いて散るのは、同じ品種、もっと言えば一本の樹を始原としたクローンだからなのです。
ところで、このソメイヨシノは、なぜ「ソメイヨシノ」という名前なのかご存知でしょうか?
いい機会なのでひとつ雑学を披露したいと思います。
ときは戦国、染井村という村に、仲睦まじく暮らしている夫婦がいました。
決して豊かな暮らしではありませんでしたが、家のすぐ側にある桜が咲くのを毎年楽しみにしていたそうです。
そんなある冬の日に村の領主からある命令が下されます。
「大きな戦があるから、至急準備をして出陣に備えよ」と。
戦国時代のことですから、断ることができるはずもありません。
夫は妻にこう告げて、戦に旅立っていきました。「きっと桜が咲くころには帰って来るから」と。
しかし、季節が巡り、桜が咲いては散り、咲いては散りを幾度繰り返しても夫が帰って来ることはついにありませんでした。
悲しみに暮れた妻でしたが、彼女は強い女性でした。
「彼岸をわたった夫にも見えるように、彼が好きだった桜の樹を増やそう」と決意をしたのです。
彼女は大変な苦労を伴いながら、少しずつ少しずつ、人工的に交配して家の近くに咲いていた桜を増やしていきました。
この女性の名前は吉乃といいました。
時は流れ明治時代。一斉に咲いて一斉に散る桜の樹は春の到来を告げるだけでなく、「見事に咲いて、散っていく」ことに人の一生や精神性を投影されて愛され、急速に数を増やします。
このとき、昔々に染井村の吉乃という女性が関わっていたことが分かり、彼女の偉業をたたえて染井吉野(ソメイヨシノ)と名付けられたのです。
私たちが愛玩する桜の樹には、こうした哀しくも美しい愛の物語があったのです。
やがて散るさだめでも、凛と咲き誇る桜の樹に、私たちも学ぶことがあるのではないでしょうか。
*この雑学は完全に嘘なので、起源が知りたい方は調べてみてください。